炎上日記〜細々とやってたつもりが…〜
みなさんこんにちは、曽塚レナです。
なぜって?
炎上です。
いや、一応いいねの方が2倍近く多いんですが、
かなり賛否両論だと思うので自分的には炎上って感じに捉えています。
その問題のツイートがこちら。
あーこれは誤解生むわ……
遡るは7月7日七夕の夜。
わたしは現在は友達関係である元彼とお酒を飲んでキャッキャしていました。
そんな中思い出したのが、数日前の駅員さんとのやりとり。
車椅子に乗っていて駅でそのことを告げると、一人案内の方が来てくださるんです。
その案内の方が「車椅子押しますよ!」と言ってくださったので、嬉しくてぜひとお願いしました。
そうしたら。
「車椅子ですーはいーごーめんなさい車椅子通りますーご迷惑おかけしますー申し訳ございません、車椅子ですー」
……?
「車椅子ですーすみません、あ、本当にすみません、通りますーごめんなさいご迷惑おかけしますー」
……お、おう……。
とにかく声もでかいし、ていうか人そんなにいないし……
ちょっとなんとなく気が滅入ったので自分で車椅子を押すので結構ですと断ると、あ、そうですかとぱっと手を離してくださる駅員さん。
悪気はないんです。それは痛いほどわかる。
むしろ張り切って注意喚起をしてくれている。
だけどなんていうか…あの…
うん。
写真はタピオカ。
そのもやっとした気持ちを、オブラートに包んで呟いたつもりでした。
今思えば表現もなってないし、きっともっと適切な表現があったんだろうな…。
だが遅い。
翌朝起きたらなんか通知が爆発していました。
意見は大きく分けて3つに分かれていました。
①わかるわかる系
「自分も!」と言ってくださった方々と、確かにご迷惑おかけしますって微妙だよねといったご意見。
ありがとうで繋がれるといいね、といったご意見。
あとは、当事者によってはそう感じることもあるんだね、ととりあえず理解してくださった方もいらっしゃいました。
ベビーカーのママさんが、「気持ちはすごくわかるけど、円滑に目的地にたどり着くためには必要だから悩みますね」と言ってらしたのが印象的でした。
②なんだテメェ系
なんていうか、わたし自身が周囲に頭を下げること自体に異議を唱えていると誤解されている方々系。
わたし普段からお礼や声がけには人一倍気を遣って声に出すようにしていたので、これには本当に参りました。
「車椅子だからってすみませんも言わずに人をかき分けて進むのか!」とか。
いや、やってない。
「健常者でも人をかき分ける時はすみませんと言いますよ」とか。
うん、しってる。(27年間健常者だった
わたしの書き方が悪かったから。ゆるして。
都内でアホほど気持ち悪い笑顔で「すみませんありがとうございます!」ってやってる車椅子がいたらむしろわたしだからさ。
むしろそれが大事だっていうのは痛いほどわかってる。
ごめんよ誤解させて…。ほんと…
③とりあえず粘着して叩いとけ系
これ、今でも来ます。
一見まともな意見っぽいから返信すると、徐々に揚げ足をとりたいだけの馬脚があらわになるタイプ。
得意げにネット掲示板?のURLを貼ってくるアレです。
いや、もうそのへんは好き勝手言っててくれよ。
おらしらね。
↑こんな顔になってた
でも今回何が一番悲しかったって、
わたしのこの落ち度がまるまる「車椅子の人はみんなそうだ」と思われてしまったんじゃないかということです。
ただでさえマイノリティで、絶対数が少ない車椅子ユーザー。
その品格というか、イメージダウンに繋がってしまったのかなって。
それが一番悲しくて。
今度からツイートには人一倍気を付けようと思いました。
わたし一人が叩かれるならね。
自業自得で済むじゃん。
でもわたしのせいで障害者や車椅子ユーザーが叩かれるってなると本当につらい。
なぜなら、そこは
心から車椅子ユーザーにとっても住みやすい国になってほしいと思っているからです。
今回の騒動でご迷惑をおかけした方々、
申し訳ありません。
最近たくさんいいねが貰えるようになって、
調子に乗ってた部分もあると思うんです。
ただ、わたしの「車椅子ツイート」には他の車椅子の方々も迷惑を被る可能性があるということ。
わたしの「車椅子ツイート」ひとつで車椅子ユーザーのイメージを決めつけてしまう人も中にはいるということ。
肝に銘じて、心機一転がんばります。
応援よろしくお願い致します。
曽塚レナ
ちなみにわたしのこのツイートを取り上げてくださった素敵なメディアはこちら↓↓
https://www.buzzfeed.com/jp/reonahisamatsu/whalecar?origin=thum
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190709/k10011987981000.html
ダイエットや歌のお話〜自己否定とモチベーション〜
こんにちは!曽塚レナです。
最近人生で最大の体重になってしまい、非常に困っているんですが、
それをきっかけにダイエットのことについて考え始めました。
今回はわたしの自己肯定感とダイエットの関係について語るブログにしようと思います。
よかったらお付き合いくださいね!
前にも書きましたが、わたしは自己肯定感の低い子供でした。
それでも人一倍承認欲求だけは強くて、
ピアノを弾く母の隣で、褒められたい一心で声を張り上げて歌っていたものです。
それでも母はわたしの歌だけは褒めることはなかったです。
そしてわたしの中に大きなしこりができました。
「お母さんに認められたい」
「いや、認めさせてやる」
「いつか歌がうまいねって褒めさせてやるんだから!」
これが、わたしの全てのモチベーションになりました。
暗い!重い!笑
でもおかげで今のわたしがいます。
わたしは歌うのが好きだというよりは、
大げさに言うと自己肯定感を得たくて、叫ぶように歌っていたものです。
最近はそんなこと、ないんですけどね。
心から歌うのを楽しめるようになったのは最近のことです。
(↑ウォーキング前のわたし@25歳)
さて、ダイエットに話を戻しましょう。
歪んではいますが、そんな負のパワーはわたしに力をくれました。
20代の頃は、常に
「今の自分はだめだ」
と思っていました。
その自己否定感は、わたしにダイエットのモチベーションをくれました。
昔から太りやすく、甘い物も大好きだったわたし。
友達や彼氏と出かけると、ついついたくさん食べてしまう!
だから、家に帰ると無塩のトマトジュースが友達でした。
小麦粉と米は基本禁止。
ファストフードなんて素通り。
セロリをかじり、無糖のヨーグルトをそのまま食べ、
会社に行く時は無糖炭酸水を持ち歩いていました。
なんてヘルシー志向!と思うでしょう?
でも違うんです。
食べ過ぎるとトイレで一人で吐いていました。
一日に何度も体重計に乗り、
0.1kgの増減に一喜一憂していました。
ダイエットに取り憑かれていたんですね。
が。
27歳、脊髄を損傷したわたしは、
車椅子生活になります。
それから色んなことがありました。
車椅子の友達がたくさんできました。
昔は人の視線が怖くて仕方なかったのに、
今は「わたしが車椅子だからだわ☆」と思えます。
そして、
背中を手術し、細菌感染を起こして死にかけて、
それで初めて、「人間って死ぬときはあっけない」と思いました。
死を美化する考え方は世の中に溢れています。
死後の世界を説く本もたくさんあります。
だけど、わたしは全身麻酔で意識を失う瞬間に、
「こうして、このまま二度と目が覚めないのが死なんだな」
と感じました。
それは生きた人間たちが恐怖の眼鏡をかけて大げさに説く死の姿より、
ずっと、ずっと、
あっけなくて、石ころが転がるほどの軽さをもってわたしに迫ってきたものです。
わたしは今生きています。
大怪我の経験は、
わたしに確かな自信と力を与えてくれました。
こんな経験を乗り越えたんだから、何でもできる。
そんな自己肯定感を得ることができました。
そんな自分を少し好きになれました。
そして、代わりに、
わたしは歩ける足を失いました。
もう一つ失ったものがあります。
それは、
ダイエットへのモチベーション。笑
自分がきらいだったから、必死で励んでいたダイエット。
自分がそこそこ好きになったら、続かなくなってしまいました。
こうなって初めて途方に暮れています。
自己肯定感とダイエットのモチベーションは共存できないのか、なんて頭を抱えています。笑
そんなこんなで。
170cm 65kgになってしまった曽塚です。
自己否定をせずダイエットを成功させる方法をご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡くださいませ。
というか
だれか助けてください。笑
いやー、だってさーー
スリムでスラッとした人が颯爽と車椅子に乗っていたら。
かっこよくないですか??
そんな自分になりたい。
でも、あの頃の「自分はだめだ」という負の力には到底及ばないんです。
もしかしたらネガティブなパワーって、
ポジティブなパワーの倍くらい、重さも強さも兼ね備えているんじゃないかな。
なーんてことを考える5月の夕方です。
いつもまとまりのないブログで申し訳ありません。
本日もお付き合いくださってありがとうございました♡
どなたか一緒にダイエット頑張りましょう…!
鈍色のモンスター〜子供のころのこと〜
こんにちは!闇オーラが激しい曽塚レナです。
人生そこそこ楽しんでいるはずなんですが、なぜか闇オーラだけは消えない……!!
なぜなんだと悩む日々です。
先日友人の結婚パーティーに参加したんですが、
わたしだけ出勤前のホステス感はんぱない。
つらい。
そうそう、闇オーラといえば……
皆様、抜毛症という病気をご存知ですか?
曽塚は子供の頃、この抜毛症でした。
自分で自分の頭髪を抜いてしまう病気ですね。
大人になってからはすっかり治ったのですが、わたしは当時頭のてっぺんがハゲた小学生でした。
原因はストレスとも、性癖とも言われています。
今回は子供の頃の自分の葛藤について深く考えてみました。
どんな人だって、生きてきた年数分の過去があります。
あまり特別なことはありませんが、この日本に住んでいるちっぽけな車椅子ユーザーであるわたしのケースをゆっくり丁寧に綴っていこうと思います。
お時間ある方、よかったらぜひ子供だったわたしに出会ってみてくださいませ!
ではGo!
わたしは横浜で生まれました。
ヨーロッパの銀行で働く父と、ピアノ講師の母の間に生まれた長女です。
生まれた頃から喘息持ちで環境の変化に弱く、
すぐに発作を起こすため、空気のキレイな千葉に引っ越して居を構えることに。
母がピアノ講師なこともあり、
よく家ではピアノを練習していました。
写真は妹と。
小学生の頃。
クラスで一番上手い子が合唱のピアノ伴奏をすることになってたんです。
いつもたいていわたしでした。
でもある時、
「れなちゃんは上手いけど、上手いの先生知ってるけど、たまには他の子に譲ってあげてね」
って言われて。
子供心にも、
他の子にも譲ってあげなきゃいけないことはわかります。
世の中は平等じゃなきゃいけません。
それでも、どうしても消化しきれない思いがありました。
なぜなら……
他の子は、わたしが塾に行っている間外で遊んでいるから。
そんなの家庭の事情なんです。なんですが、
どうしてわたしだけ、週6で習い事に缶詰めで。
どうしてわたしだけ、夏休みに塾に缶詰めで。
どうしてわたしだけ、
みんなが公園で遊んでる間に、背中に竹刀を入れられながら何時間もピアノを弾いてるんだろう。
どうしてこんなにつらいのに、
「習い事いっぱいできていいなぁ」なんて
むしろ幸せ者みたいに言われるんだろう。
誰だって何かしら抱えています。
どんな家庭だって何かしらあります。
でも、子供のわたしにはそれがわからなくて。
どうしてわたしは努力しているのに、
楽しそうにお友達と遊んでるクラスの子に、
ピアノの伴奏を譲ってあげなきゃいけないんだろう??なんて
わたしの心は黒く染まっていました。
「れなちゃんは勉強が進んでるから、みんなに合わせて授業中は手を挙げないでね」
とも言われていました。
気付くと、わたしは授業中に、
一本、一本と自分の髪の毛を抜くようになりました。
楽しかったんです。
自分の身体の一部である髪の毛を、
ぷちぷちとむしっていくのが。
(今はもっさり髪があります)
ハゲ始めたので、いつもポニーテールにしていました。
でも受験が終わって、中学に入学すると、
わたしと同じ境遇の子たちばかりでした。
みんな、夏休みはクーラーの効いた部屋で勉強していたタイプの子たちです。
その時、ふとあることに気付きました。
自分の中の、醜い選民意識でした。
高すぎるプライド。
みんなから疎外感を感じて生きてきたのに、
「あんたたちとは違う」という細い細いプライドで自分を保っていたことに気付きました。
みんなと仲良くなりたかったのに、なれないから
憎むことでしか自分を正当化できなくなっていました。
あの頃のわたしは、なにか人間じゃなくて
憎しみしか心にないモンスターになってしまったようなそんな心地がしていました。
(ハゲてるしね)
それから激しい反抗期に入って。
部活をサボってゲーセンに入り浸って。
授業中は先生に反抗しまくって、
いやな子供だったなぁと思います。
でも、そんなわたしを救ってくれたのが、
高校卒業後の一人暮らし。
はじめは父と都内で暮らしていたのですが、
その頃はまだ髪を抜いてハゲていました。
気付くと手が頭に行っている……
気付くと髪をぶちぶち抜いている……
でも、完全に一人暮らしを始めて。
初めのころは悪夢ばかり見たんです。
でも、次第に自分の安全を確認できて、
「わたしの人生は、わたしがコントロールしているんだ」という実感を生まれて初めて感じられました。
それからです。
手が頭に向かわなくなったのは。
むしろキレイに美容院に行って、
お化粧して、ちょっと高いハイヒールを履いて。
かわいいお洋服なんか、買うようになって。
"自分を大切にする"ということの意味を、
やっと習得した感じがしました。
そして、今の自分がいます!
今は全く自分の髪を抜くことなんかありません。
いや、まぁ、体の毛は剃ったりするけど。
でもそれは、
ツルツルの脚や腕になりたいから!
自分を破壊する一貫なのではなく、
自分を大切にする一貫なのです。
この違い、すごく大きいんですよ。
一人暮らしがどうしてわたしにこんなにも良く作用したのかはわかりません。
それでも、一人での生活は、
自分を大切にすることをわたしに教えてくれました。
もし抜毛症で悩んでいる方は、環境を変えてみることを強くおすすめします!
自分の心にゆーっくりゆーっくり向き合ってみたら、
きっと、いい発見があると思うのです。
ということで、今回は抜毛症と子供の頃の話でした。
シャンプー・リンスのCMのオファー、お待ちしています。
それでは♡
本日もお付き合いいただきましてありがとうございます!
曽塚レナでしたっ♡♡♡
ミッション・ポッシブル〜HCR有名大企業をレビューせよ〜
こんにちは!車椅子の同志曽塚レナです!
この度は国際福祉機器展(HCR)のレビューを投稿いたします。
来ることができなかったある方に「代わりに見てきて!」と言っていただけたので♡
ですが注意。
車椅子のレビューはほぼありません。
本当に申し訳ありません。
3日中2日も行ったのに、忙し過ぎてほとんど回りきれず、依頼を受けた外側ブースの大企業中心のレビューとなっております。
それでもよろしければ、ぜひ見てみてくださいね!
それではスタート。
HONDAの今年の売りは新しくなったN Box。
車椅子ごと乗り込むタイプの福祉車両では、電動ウィンチと呼ばれるベルトで引き上げられた先にオリジナルの手摺りが設置してあったりと、一歩利用者に寄り添った作りです。
最近話題の自動運転技術も相まって、ドライバーの苦労はますます減っているようです。
広いブースの真ん中で、アナウンサー達のデモンストレーションが行われていたのが印象的なNISSAN。
こちらも自動運転技術が推しでした。
福祉車両のトレンドは大きく動いているというよりは、インテリアの手摺りや荷物を積んでも見えるミラーなど、利用者の細かいニーズに応えていこうとする姿勢が強く見られます。
こちらはTOYOTA。
ただ、車椅子は乗れればいいというものでもないので、付属の車椅子以外の選択肢がなくなってしまうのは車椅子ユーザーにはつらいところ。
そういったところのニーズとの乖離が見られました。
やはり介護用ですね。
さて、福祉車両ばかり見ていてもアレなので、ひときわ目を引いたTOTOのデモンストレーションについて。
観客参加型のデモンストレーションを行っていたTOTOさんですが、上部の画面に字幕が出る仕組み。
他の企業と違って、耳の不自由な方にも楽しんでもらえそうな気遣いが優しかったです。
こちらの部屋置きトイレは細いパイプでもうまく排泄物を流すことができるため、当事者と介護者両方の負担を減らすことができます。
また車椅子でも難なく入れるよう設計されたドアなど、かゆいところに手が届くような商品が多くありました。
車椅子でも立たずに調理できるカウンターなどが印象的でした。
4歳の頃から来ていると話していたフォロワーさんの話では、
昔は車椅子だらけで楽しかったが、最近は高齢者介護用品に勢いがあって飲まれつつあるとのこと。
少子高齢化の影響も強いのでしょうね。
そんな中、当事者も訪れるであろう会場ではスロープはあるものの階段を多用したブースの作りになっていたりして、少し寂しい気持ちになりました。
龍角散のブースは去年と変わらず大人気で、行列ができていましたね。
やはり面白い趣向を凝らしたブースは人が集まりますね。
Panasonicでは住宅エレベーター、高齢者住宅施設向けのお風呂、補聴器などの展示がありました。
やはりトレンドは介護ですね。
なんだかいざ記事を書いてみると写真が少ない……!!
福祉機器展、3日目だけではほとんど回りきれませんでした……。(初日はご挨拶などでほぼ潰れた)
また来年も行こうと思います!
最初の車椅子〜松永Suaiとの思い出〜
こんばんは、車椅子の同志曽塚レナです。
HCR国際福祉機器展、今年も大盛況でしたね!
去年(2017)も行ったのですが、あの頃より人脈もひろがり、わかる分野も増えてきて、より楽しむことができました。
後ほど今年のHCRまとめを記事にしますね。
ぜひそちらもご参考になさってください!
さてさて、福祉車両や介護用品を見て回って、最後の最後に松永製作所のブースへ戻って来て。
ぽつん、と目にはいってきたものがあったんです。
それは、Suai2。
ぼうっとスアイを眺めて立ち尽くすわたし。
なぜなら、スアイは、
わたしにとって最初の車椅子だったからです。
入院していた頃。
「そろそろ車椅子を買おう」と言われたあの頃。
わたしは車椅子なんかいらないと思っていました。
「わたしは歩いて帰るんだから、車椅子なんかいらない」と信じていました。
なにより、車椅子を手に入れてしまうことで、
自分が車椅子という枷に閉じ込められてしまうような、そんな恐怖すら感じていて。
どうせ車椅子なんてどれも同じ。
軽さだとか、なんだとか説明されてもピンと来ない。
わたしがこれから乗る羽目になる足枷なのだ……と思っていました。
そんな時、理学療法士の先生にそっと手渡されたのが、
松永製作所のスアイのカタログでした。
女性向けの、かわいらしい
色とりどりの車椅子です。
ピンク、ゴールドフレーク、やさしい紫。
花柄やリボンの透かし、
大事な洋服が汚れないためのカバー。
パンフレットはぱっと明るく穏やかに、
「わたしたちのためだけの車椅子」を照らし出していました。
今でも涙が出てきます。
自由を失ったと信じていた心に、
「素敵でいようとすることを諦めなくたっていいんだよ」
「歩く自由がないなら、選ぶ自由をあげるよ」
というメッセージを受け取ったような気がしたんです。
同時に、この車椅子をデザインした方々の想いも流れ込んできたように感じました。
これまでになかった女性に特化した可愛らしい車椅子。
これから車椅子を選ぶ女性たちの心をあたたかく照らしてくれます。
絶望は消えなくても、
伸ばされた手を掴むことで、私達は前に進める。
失った自由の前に現れた、新たな自由だった。
それが、スアイだったんです。
スアイに即決。
迷うもんか。ふざけんな。
軽い?重い?
しるかそんなの。
スアイがいいんだ。
スアイがわたしの心を照らしてくれたから。
色?そんなん
ゴールドに決まってんだろ。
(バッドアスソアーズの撮影の時もスアイ!)
わたしを自由にしてくれた車椅子。
諦めなくたっていいと教えてくれた車椅子でした。
そんな中、今日ご縁があって。
なんと、スアイの開発に携わっていらっしゃる方に直接お礼とラブコールをお伝えする機会に恵まれて。
「スアイのお陰で今のわたしがいます」
そうお伝えできました。
とても嬉しかったです!!
スアイとわたし!
今のわたしは、同じ松永製作所さんのK-MAXに乗っています。
なぜなら、スアイからゴールドフレークのカラーが消えてしまったから。
致命的でした。
この色にこだわって選んだから、どうしても妥協できなくて。
今のK-MAXは軽くキャスター上げもしやすく、身体にフィットして大好きです。
ですが、それでも、初代スアイのお花の透かしはいつでもわたしの心にあります。
忘れられません。
だって、わたしの最初の車椅子だから。
結論:
松永さん、ゴールドのスアイ出してください(血眼
スアイちゃんとの思い出でした♡
またね!
車椅子ロンドン旅行記〜帰国中〜
こんにちは!
車椅子の同志曽塚レナです。
現在飛行機の中にいますが、お金を払えばwifiが繋げる機体だったらしく快適に過ごしています。
本当は毎日更新したかったロンドン旅行記ですが、母が組んだハードスケジュールに翻弄されて更新できませんでした……。
もうぐったりですよ!!!分刻みのスケジュール!!
曽塚は母とは正反対で、海外に行ったら地元の人に溶け込むように生活したいタイプです。
パリに行った時も、
「ハァ、この街10年住んでるけど嫌いだわ……」みたいな顔して歩いていました(笑)
本当は大好きなんですけどね。
気取り屋なんです。
ザ・観光客になりたくないんです。
もう許して。
長いですがまとめてレポします!
まずは観光バスに乗り込んでワーナーブラザーズスタジオへ。
("観光"バスに乗るというだけで絶望していたのは言うまでもない)
こちらはハリーポッターの撮影セットや小道具などが展示されていて、一日楽しめます。
曽塚はフォトジェニックな場所を探してうろうろ。
なにより観光バスの運転手さんがいい人で、
「よう俺の嫁!」
「俺へのおみやげはないのか?」
なんて軽口を叩いてきて楽しかったです。
ただ、このツアーバスはバリアフル。
わたしは手すりに掴まりながら数段の階段を登ってバスに乗り込み、車椅子を運んでもらって乗りました。
車椅子単独で行くなら、最寄りのWartford Junction駅からタクシーを掴まえるのが一番安心そうです……。
まぁ、バスの運転手さんたちはかなりフレンドリーなので、もしかしたら人力でなんとかしてくれるかもしれませんが、少なくともワーナーブラザーズスタジオ行きの2階建てバスには車椅子用乗車口はありませんでした……。
でも、ワーナーブラザーズスタジオ自体には多目的トイレも完備で、車椅子の人も何人かいらっしゃいました。
車で来てるのかな?
大きなセントパンクラスの駅で。
家族とはぐれたのでwifiを繋げるためにバーに入ったら、ハッピーアワーで二杯もフローズンマルガリータをもらってしまいました。
どこでもかしこでもフリーwifiが繋がるから便利ですね。
曽塚は海外で迷子になるとテンションが上がります。
経験値が上がる気がするのです。
さて、翌日は妹の学会発表のためにオックスフォードへ。
長距離バスを使って移動します。
ロンドンではバスさえあれば生きていける。
スロープを出してもらい、がっちがちに固定してもらいました。
オックスフォードは伝統的でアカデミックな土地です。
美しい!美しい……けど、
なにより石畳の道が車椅子にはキツい。
タイヤの空気が抜けてふわっふわになります。
でもちょっと残念なお知らせが。
オックスフォード大学を見学している時、他のアジア人が撮影禁止のところに堂々と侵入して写真を撮りまくっていて、怒られても怒られても隙を見てはやらかしていました。
こういうことがあるから、アジア人ってだけで警戒されたり、偏見に繋がるんだろうなぁ……と見ていて悲しくなりました。
どこの国に行っても、モラルを持った人間でいようと思いました。
美術館での妹の発表は無事終わり、美術館スタッフ達と共にレバノン料理店へ。
このお店がかわいい!!
車椅子用トイレも完備で、しかもトイレの中までかわいい。
みんなで楽しい時間を過ごしました。
翌日はハンプトンコート宮殿へ遠征。
こちらはサウスウェスタン鉄道で行きます。
ちょっ、
隙間半端ない!!!!
これはキャスター上げでは難しい。
ですが、サッと鉄道係員さんが来てくれて、
車内車椅子スペースに備え付けてあるスロープを出して乗せてくれました。
電車の中には手助けが必要な人のためのボタンが。
快適です!!
この宮殿には赤い服を着たスタッフの方々があちこちにいらっしゃって、私を見ると「エレベーターで2階に上がりたかったら私達に言ってね!」とすぐに声を掛けてくださいました。
実際車椅子に乗った人もたくさん見学されていて、バリアフリーと言い切って大丈夫そうです。
トイレも完備。
ただ……
石畳ファック。
あとは、地元の妹おすすめのベトナム料理店やパブで寛ぎました。
これがしたかったんだ私は。
パブではサッカーの試合をみんなが観ていて、どこも賑わっていました。
ただ、今回の最大の悔いは地下鉄に乗れなかったこと。
荷物が多かったので車を手配したり、バスばかり利用していた(赤いロンドンバスはボタンを押すだけでスロープが出てきます)ため、車椅子でロンドンの地下鉄に乗るという経験ができませんでした。
次回だな。うん。
あと、初日に言ったじろじろ見られない!というのも、アジア人自体が少ないような郊外に出るとなかなかそうも行かず目立ってしまいます。
それは日本と変わらなかった。
日本でも、新宿とかだと誰も見ないけど少し外れると振り向いてまでガン見されたり。
まぁ、若くして車椅子に乗っているサガなのでしょうね。
楽しかったです。
本当は1ヶ月くらい行ってぐだぐだうろうろしたい。
そんな財力はないけどな!!!!
空からお金降って来ないかな!!!!!
ポンド高いんだよ!!!!!!
(美術館スタッフ達はEU離脱についても語っていました。政治的な事も積極的にディスカッションするところ、こっちの人らしいですね。)
また絶対行きたいです。
写真より動画をたくさん撮ったので、なんらかの方法でアップしますね!
空の上から、曽塚レナがお送りしました♡
車椅子ロンドン旅行記〜一日目〜
こんにちは!!
車椅子の同志曽塚レナです。
昨日からイギリスに来ています!
車椅子で海外旅行って行けるの?
トラブルは?
ホテルはバリアフリー??
……気になりますよね。
わたしも気になって、出発前ググったりしてました。
(そうしたら車椅子単独で世界一周されたミヨさんのブログにたどり着いて、わくわくがとまらない経験をしました。皆様もぜひご覧になってみてください!)
今回は車椅子単独ではありませんが、わたしがロンドンを旅行した足跡をここに残していこうかなと思います。
よかったら見ていってくださいね!
荷物は最小限を登山用バッグに入れて背負います。
念のために転倒防止バーをつけたらしっかり安定してくれました。
ただ、黒の登山用バッグは人と間違いやすいので目印になる目立つ飾りをつけることをおすすめ。
空港で探すのめんどくさかった。うん。
ででん。
羽田空港でブリティッシュエアウェイズのチェックインに並ぶ曽塚。
ブリティッシュエアウェイズはアプリでチェックインができるので、パスポートとスマホを見せて荷物を預けるだけ。
車椅子は最初のご案内になるので、職員に声をかけてね!とのこと。
とてもスムーズに案内していただいちゃいました。
…が。
荷物検査のところで、車椅子の背バッグに入れっぱなしだった大量の使い捨て尿道カテーテル達を怪しまれる曽塚。
コカインでも隠してると思われたかな……
車椅子に積んでいる荷物も全部外して通らなきゃね。反省。
12時間くらい(ざっくり)飛行機に乗ります。
ロンドンに直行で行く場合、ロシアの上の方と北欧上空を通ります。
目指すはヒースロー空港!
食事は2回でました。
スマホ充電できない機体でつらかった……
空港に着いたらトラブルが。
迎えに来てるはずの運転手がいない。
結果配車を1時間くらい待ちました。
まぁ旅行あるあるだよね!
とか思ってにっこにこのわたしとは対照的に、イライラ頂点の半分イギリス人の妹。
妹「車椅子いるって伝えたはずだけど!しかも私達1時間も待ったんだけど!」
クレームを言うも、言い訳ばかりで頑として謝らない移民運転手さん。
まぁ、あるあるあるある。
車窓から見えるロンドンの街。
ホテルに着いたら部屋の掃除が終わってなかった。
ぐっだぐだや。
キングス・クロス駅の近く、イズリントンのヒルトンホテルでございまする。
トイレはこんな感じ。
下ろせるタイプの手摺りがついています。
お風呂もシャワーチェアに手摺り仕様です。
バスタブはなく、日本人にとってはちょろちょろしか出ないシャワーなので注意。
これ、体幹ない人大丈夫なのかな?
曽塚はがっつり体幹あるのでいけましたが、ちょっと不安になります。
扉のドアノブ自体も重めなので、上肢に障害がある方はひとりではキツいかも……。
あとね。
ベッドが高い。
しかも移乗しようとしたらベッド自体がぬるっと動いた。
わたしはぎりぎり立てるからいいけど、立てない方はベッドに抱きついてずるずる上がるしかなさそう。
ひえぇ、バリアフリーへの道は遠いです……!!
シャンプーやボディソープはかさばるから、現地で買えばいいや〜とか思ってたんですが、
着いたのは日曜日の夕方。
薬局もスーパーもガン閉まり。
そう考えると日本って便利ですよね。
年中無休の薬局やスーパーがたくさんあって、日曜だからって早く閉まるお店もなくて。
ロンドンには見事にそっぽ向かれました。
スーパーでお酒や食材を買ってホテルの部屋でパーティーしようと思ってたのを急遽変更。
こちら、"Wagamama(ワガママ)"という名前の日本食屋さんで日本食をテイスティングすることに。
頼んだのは"Wagamama Ramen(ワガママラーメン)"。
塩ベースのラーメンに、丁寧に焼いたチャーシューや魚介がトッピングされたラーメンです。
おいしかった〜。
麺が謎だったけど。
なにより、
人々が優しい。
車椅子でもじろじろ見ない。
さっと助けてくれる。
あと、そもそも車椅子の人が多い。
電動でうろうろしてるおじいちゃんや、手動に乗って洋服屋で物色する奥様。
レストランでもシームレスに案内してもらえて、心のバリアフリーを感じました♡
ロンドン大好きやー!!!!
明日以降バスと地下鉄にチャレンジしてみようと思います!
Oyster(日本で言うSuica)にもチャージしたし!
あ、介助者いるとバスは半額になるようです。
おやすみなさいっ!!
明日もできたら更新しますね。